エルシュナーラ火の地方に拠点を構え、村々で略奪を繰り返し、国中に悪名を知られたとある盗賊団があった。頭は弱冠26歳、奴隷階級から成し上がり、盗賊同士の勢力争いにも勝ち残り、何度か組まれた国の討伐をも鮮やかに切り抜けた。そんな彼を、火の地方の国民は畏れを込めて、そして国の魔法使いたちは嫌悪を込めて盗賊王と呼んだ。煌く銀髪と、腕に彫られた鷹の刺青から、銀の若鷹《シルヴァーホーク》と呼ばれることもある。
金も女も欲しいものは奪い手に入れ、部下には恵まれ、若くして命の危険以外は不自由ない彼の生活だったが、とある村で略奪を行なった時手に入れた不思議な宝石が後に彼の頭を悩ませることになる。その宝石はどういうわけか、中に一人の娘が封印されていた珍しいものだった。試行錯誤の末に石の封印を解くことに成功し、中の娘とあいまみえたが、乱暴な彼の態度に腹を立てた娘は殆ど何も語らぬまま再び封印の中に閉じこもってしまう。その娘の背にはエルシュナーラの地図と思しき文様と、何かを示す点が彫られていた。娘の背中の地図は一体何を意味したのだろうか。娘の封印を解くのは非常に手間と金がかかるため頻繁に行なうことはできないが、いつか口を割らせてやろうと企む今日この頃である。
それとは別に彼の頭を悩ます出来事はもう一つ。例の宝石を手に入れたのと前後して、彼の前に一人の幼い少女が現れた。普段子供など歯牙にもかけない彼だが、その少女はあろうことか自分を「パパ」と呼んで懐く。父親じゃないとは言い張って見たものの、困ったことに彼には身に覚えがありすぎるほどにあったワケで(笑)今のところ誰にも信じてもらえていない。彼の後をどこでもついてきたがる少女。酒場でも夜のお店でもコブつきとおねーちゃんらに笑われる始末。極悪非道な盗賊王のイメージは一体何処へ行ってしまったのやら…?
しかし真の問題はそれではなく、その少女の背中にも封印の娘と同じ文様が描かれていたこと。この少女たちは誰なのか。そして文様が示す地点には何があるのか。とてつもない宝の気配も感じながら、若き盗賊王は謎の終着点を目指して動き出す。
叩き上げの成り上がり。実力主義で自信家。非情で鬼畜、オマケで好色の三重苦。奴隷階級出身のため学問自体はサッパリだが、野性的な判断力と統率力を備えている。
- ディーナザードが娘?
- イルサークを気紛れで拾って居候させている
- シェーラザードの所有主
- ケイロンが子分
- ナークが昔からの部下
- アリカに追われている
- シ-シェイアが奴隷時代の友人
- イスカが盗賊団出身
