『彼ら』はサイウス神が海を作って間もない頃、硬い岩のような皮膚と頑丈な身体を持ち、海に栄えた種族でした。『彼ら』の時代は長く続きましたが、とうとう『彼ら』は永い眠りにつきました。その身を岩の一部として、永遠に、永遠に…。
オルトシャンもまた、誰にも知られぬ海底で眠りにつきました。しかし、長い年月が過ぎ、地形は変わり、彼はいつの間にか、岩と共に地上にその姿を現していたのです。人間たちは珍しい生き物の化石が出たと騒ぎます。そして彼は博物館に持ち帰られました。かすかに残っていた意識で思うのは、海が見たい、海に帰りたいと、ただそれだけ。
しかし、何年か経ったある日、博物館を訪れた一人の少女が、そんな彼の声を聞き届けました。少女の腕には、常に光る石のついた腕輪がありました。そして彼女は言いました。「あなたの故郷は海なのね。海に帰りたいのね?」
少女は何年もかけて街の人と博物館の人を説得してくれました。彼の身体は海に返されました。そして今度こそ海底深く沈んでいく筈でした。永遠の夢の続きを見るために。しかし、海中を漂っているうちに、石となっていた身体が動く事に彼は気がつきました。心の中に思い描いていた、遥か昔の姿で自由に泳ぎ回ることが出来たのです。おそらく偶然彼の身体を括りつけた木材が、ラプトの効果範囲内に流れたのでしょう。そして彼はフィル・ディアに辿り着いたのです。フィル・ディアは見たコトもない不思議なもので溢れていました。少女の腕に光っていたリングと同じ石も…。そして彼は、海を思うその心と、少女への恩返しのために、フィル・ディアを守ろうと決めました。
非常に穏やか。長い年月を生きてきた(石だった?)せいか、感情がかなり磨耗してしまっている。特に怒りや恨みの感情は希薄。別にそれは構わないが、喜びの感情が少し薄めなのは残念だなぁ、と思っている。
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