ラブに関する25の質問【微妙編】
ロジーナ:あら。
ディスクリート:げっ!?
ロジーナ:ディスクリートじゃないの。久しぶりね。ご機嫌いかが?
ディスクリート:…あー、よくもないけど悪くもないって言うかいま俺急用を思い出し…
ロジーナ:あら、さっきの暇そうな欠伸は私の気のせいかしら。けれどもそうはいきません。
ディスクリート:と、とは言っても俺野営地用の装備の点検しないと…
ロジーナ:騎士団のお仕事なら心配要りません。先ほど小隊長さんにお話ししたらどこへでも連れて行けとおっしゃられてましたよ。
ディスクリート:(なんてこと言うんだあのライオン丸ー!?)
ロジーナ:それほど構えなくてもいいですわよ。すぐに済みます。つべこべ言わずにちょっと面をお貸しなさい。
ディスクリート:ちょ、ロジーナさんなんて言葉遣…い、いて!耳引っ張るな耳はー!!
ロジーナ:じゃあまず自己紹介ね。
ディスクリート: ……。
ロジーナ:どうしたの?
ディスクリート:いや、どうしたもなにも、知ってるよな…と思って。
ロジーナ:人様にご挨拶もできない義弟なんて私知りませんわよ(にっこり)
ディスクリート:ブラウンクレー男爵家の4男、ディスクリート・メア・ブラウンクレーと申します。よろしくお願いします。
ロジーナ:はい、よくできました。
じゃあ質問行きますわね。現在あなたに恋人や好きな人はいますかですって。
じゃあ質問行きますわね。現在あなたに恋人や好きな人はいますかですって。
ディスクリート:い!?い、いねえよ。いねえと…思う…。
ロジーナ:(あらあ、いきなり面白い反応ねえ…)
それはともかくとして、今日はバニーユさんという方についての質問をさせていただきたいのですけど。
それはともかくとして、今日はバニーユさんという方についての質問をさせていただきたいのですけど。
ディスクリート:(びっくう!)
ロジーナ:あら、そんなに驚いちゃって、どうしたの?
ディスクリート:な、なんでもねえ!
ロジーナ:ふーん…。ねえ、今丁度その人のこと考えててびっくりしたんじゃないの?(によによ)
ディスクリート:なんでも・ね・え!!!
ロジーナ:はいはい…。じゃあそのバニーユさんについてあなたが知っている範囲のことを教えてくださいな。
ディスクリート:バニーユ…あ、本当はラ・バニーユって言うんだそうだが、カッフェルからこの国に来たって言ってたな。
エルフの血が入ってるらしいんだけど、なんでもカッフェルにいたエルフの「家族」がそうしろって言ったみたいで。
魔法も使えるし、薬草にも詳しいし、15歳になったら旅をしろ、みたいなのがあるのかもな?
あ。あと、16歳って言ってたけど、ちまい。
エルフの血が入ってるらしいんだけど、なんでもカッフェルにいたエルフの「家族」がそうしろって言ったみたいで。
魔法も使えるし、薬草にも詳しいし、15歳になったら旅をしろ、みたいなのがあるのかもな?
あ。あと、16歳って言ってたけど、ちまい。
ロジーナ:ふーん。いろんなこと知ってて、結構仲良しさんですのね。
ディスクリート:う、うるせえ!
ロジーナ:そんなバニーユさんとあなたはどういうご関係?
ディスクリート:俺が居候でアイツが居候先のメイド。
ロジーナ:オストハイム子爵夫人のおうちの使用人ですのね。オストハイムといえば、そういえばあなたご実家には帰りませんの?
ディスクリート:(ぷい)
ロジーナ:頑固ねえ…。まああなたがどこにいようと構わないけれど、あまり先方にご迷惑をかけてはいけませんわよ。
あとアレス。あんまり乱暴に扱わないで頂戴。
あとアレス。あんまり乱暴に扱わないで頂戴。
ディスクリート:……はい。
ロジーナ:よろしい。じゃあ、あなたがバニーユさんと出会ったのはオストハイムのおうちよね?
ディスクリート:そうだな。
ロジーナ:あなた先方にお世話になるようになってからまだそんなに時間たってないでしょ。ずいぶん早く仲良くなったのね。
ディスクリート:う…。い、いや…屋敷に来たのが俺もあいつも同じくらいの時期で、最初は使用人同士だと思われてたって言うか…。
ロジーナ:あなた…居振る舞いはきちんとなさいよ。
ええと、彼女とはどれくらいの頻度で会いますの?
ええと、彼女とはどれくらいの頻度で会いますの?
ディスクリート:同じ屋敷に居るんだから毎日会うぞ。あ、朝起こして貰って飯の準備に掃除に洗濯に…あと夜食作ってくれたりとか。
ロジーナ:…至れり尽くせりね。というか、朝くらい一人で起きなさいな。
その上夜食まで要求するとか、とても迷惑な客人じゃないの。まあ最初から迷惑な客人以外の何者でもないけれど。
その上夜食まで要求するとか、とても迷惑な客人じゃないの。まあ最初から迷惑な客人以外の何者でもないけれど。
ディスクリート:…ひでえ。
ロジーナ:人との会話で彼女の話が出ることはある?
ディスクリート:そこそこ。あいつレーナさんの助手もやるから、結構知り合い多いし。
ロジーナ:どんなことをお話しするのかしら?
ディスクリート:別に普通の噂話程度。でも、たまに、あの子名前なんて言うのとかいつもここで働いてんのとかこれ渡しといてとか…(いらいら)
ロジーナ:あらあら、気をつけたほうがいいわねー、おほほ。
ふと気がつくとそのバニーユさんのことを考えてることは…あるわよねえー。さっきとかねー。
ふと気がつくとそのバニーユさんのことを考えてることは…あるわよねえー。さっきとかねー。
ディスクリート:だ、だからなんでもねえって言ったろ!!!
ロジーナ:はいはい(によによ)
さて、ここからが本題かしら。彼女の好きなところとかを教えてくださる?
さて、ここからが本題かしら。彼女の好きなところとかを教えてくださる?
ディスクリート:しっかりもの、なところかな。すごい頑張り屋だと思う。
普段頑張ってるから頼られたときは嬉しいし、助けてやりたくなるよな。
多少口悪いけど、俺はよそよそしくされるよりそっちのほうが好きだ。
普段頑張ってるから頼られたときは嬉しいし、助けてやりたくなるよな。
多少口悪いけど、俺はよそよそしくされるよりそっちのほうが好きだ。
ロジーナ:彼女の快活なところが好きなのね。
ディスクリート:あと、俺ああいう小さいのが頑張ってうごうごしてるの見るの好きなんだよなぁ。
ロジーナ:(頑張って、うごうご…?)
ロジーナ:じゃあ逆に嫌いなところは?
ディスクリート:なんかあると黙るところ。ひどいと避けられるところ。理由言ってくれなきゃわかんねえだろうが。
ロジーナ:あら、それは世のつつましい女性ならみんなそうよ?
ディスクリート:そーいうのいいからはっきり言ってくれよ。
ロジーナ:その「理由」を口にするのが恥ずかしいってこともあるのよ。バカねえ…。
彼女に対して何か不思議に思うところとか、ない?
彼女に対して何か不思議に思うところとか、ない?
ディスクリート:ある。いっぱいありすぎて何が不思議なんだかよくわかんねえ。
ロジーナ:例えば?
ディスクリート:さっきも言ったけど、喋ってて急に赤くなったり青くなったり、怒り出したり、1週間くらい避けられたり、わけわかんねえよ。
ロジーナ:もっと女心を学びなさいな。
好きなところはわかったわ。じゃあ、あなたはバニーユさんをどういう風に見てるのかしら?
好きなところはわかったわ。じゃあ、あなたはバニーユさんをどういう風に見てるのかしら?
ディスクリート:どういう風って、まあいい奴だし、友達だし、そ…そりゃ嫌いじゃねえよ。
ロジーナ:じゃあ好きなのね。
ディスクリート:!!!ちょっ、ばっ、べ、別に好きだなんて言ってないだろ!
そりゃあ嫌いじゃないしちょっと可愛いなって思ったりすることもあるけどあいつ生意気なときはホント生意気だし平気で男物のパンツ掴んだりするs
そりゃあ嫌いじゃないしちょっと可愛いなって思ったりすることもあるけどあいつ生意気なときはホント生意気だし平気で男物のパンツ掴んだりするs
ロジーナ:はい次行くわよ次ー。
ロジーナ:あなたはどう見られてると思う?
ディスクリート:…き、嫌われては、ないんじゃないか?
ロジーナ:じゃあ好きなのね。
ディスクリート:!!!ちょっ、いや、だからって好きって言うのはどうかと思うぞ俺なんか割りといつも仏頂面って言われるしあいつもちょっと怖いとか思ったりすることもあるんじゃないかなっていうか並んでたら子供と誘拐犯みたいd
ロジーナ:はい次行くわよ次ー。
ディスクリート:おい、無茶振りしといて無視すんな!(息を切らせながら)
ロジーナ:なにかアプローチされたことはあるかしら?
ディスクリート:アプローチって、どういうことだ?
ロジーナ:……。
ロジーナ:ふと気がつくと誰かの視線を感じるとかいうことは?
ディスクリート:あるな。
ロジーナ:それはバニーユさん?
ディスクリート:ああ。気がつくと物陰からじーっと見てたりする。なんであいつあんな小動物みたいな動きなんだろ?
ロジーナ:そういうところが好きなのよね?
ディスクリート:ああ…ってなに言わす!?
ロジーナ:彼女からなにか贈り物を貰ったことはあるかしら?
ディスクリート:ああ。
ロジーナ:あらあらまあまあ、何を頂いたの?お義姉さんに見せて御覧なさいな。
ディスクリート:菓子とかマフラーとか護符とか…み、見せるったって食いもんは食っちまったし、そんな全部いつも持ち歩いてなんかない。
ロジーナ:一つくらい持ち歩いてるものとか、あるでしょう?
ディスクリート:(諦めたように服の中からタリスマンを取り出して見せる)
ロジーナ:あら、綺麗な細工…。ほら、大事にしてるじゃない。
ディスクリート:ほ…ほっとけ。
ロジーナ:彼女のことで一番思い出に残ってることはなにかしら?
ディスクリート:思い出…。
ロジーナ:あら。
ディスクリート:(見る見るうちに顔が真っ赤)
ロジーナ:あらあらあら!そうよねえー。出会って間もないとはいえ若い二人だもの、そりゃあ人に言えないことも含めて思い出がいっぱいよねえー。
ところでもうキスとかしたの?それとももうそんなものじゃないのかしらねーおほほほ!
ところでもうキスとかしたの?それとももうそんなものじゃないのかしらねーおほほほ!
ディスクリート:誰か止めてくれこの人
ロジーナ:彼女のことを考えて動悸が激しくなったり体温が上…あるわよねー、こんなに真っ赤になって怒鳴り返してくるんだものねー。
ディスクリート:わああ、もう、放っておいてくれ!!
ロジーナ:はいはい(によによ)でもこの質問シート、まだあるわよ?
ディスクリート:まだあんのかよ!?
ロジーナ:まあまあ。これからしばらくは想像シリーズが続くみたいだから落ち着きなさいな。
さて、それじゃあ想像してね。ある日突然その人が大怪我をしたらあなたはどうする?
さて、それじゃあ想像してね。ある日突然その人が大怪我をしたらあなたはどうする?
ディスクリート:全然落ち着けねーだろ、その仮定(げんなり)
そりゃ、見舞いに行くよ。心配する。でもなんだ、そういう仮定だから仕方ないけどさ。
そりゃ、見舞いに行くよ。心配する。でもなんだ、そういう仮定だから仕方ないけどさ。
ロジーナ:?
ディスクリート:そもそもそんな目には合わせない。二度とな。
ロジーナ:それじゃあ、次ね。ある日突然彼女が居なくなってしまいました。どうする?
ディスクリート:突然ってことはあいつの意思じゃないんだな?帰ってこられなくなったとか、連れ去られたとか、そういうことなんだな?
……。連れ戻す。しっかりものだけど、寂しがりやなんだ、あいつ。
……。連れ戻す。しっかりものだけど、寂しがりやなんだ、あいつ。
ロジーナ:ふふ、頼もしいわね、騎士様。そうね、突然居なくなってしまうのは寂しいもの。是非そうしてあげて頂戴。
さて、彼女が誰かに言い寄られています。あなたの今のお気持ちは?
さて、彼女が誰かに言い寄られています。あなたの今のお気持ちは?
ディスクリート:(ものすごい仏頂面)
ロジーナ:よくわかりました。追い討ちをかけるのもなんなのだけど、彼女に恋人ができました。さてどうします?
ディスクリート:(眉間にしわが更に1本追加された仏頂面)
ロジーナ:ものすごくイヤそうね?
ディスクリート:いや、今具体的な顔が浮かn…この、くそ!あっち行け!
ロジーナ:(面白いわねえこの子…)
そろそろ終わりが近づいてきたわよ。さて、ここまでやってきて、バニーユさんになにか言いたいことがあれば、代わりに私に言ってみて頂戴。
そろそろ終わりが近づいてきたわよ。さて、ここまでやってきて、バニーユさんになにか言いたいことがあれば、代わりに私に言ってみて頂戴。
ディスクリート:え?
ロジーナ:そういう質問なのよ(紙をぴらぴら見せながら)愛の告白の練習でもいいわよ?採点してあげる。
ディスクリート:しねえよ!!
ロジーナ:あら、残念。でもなにかありませんの?普段の感謝の言葉とか。
ディスクリート:そういうことなら…。その、なんだ…いつも飯とかありがとうな。
ロジーナ:ぱっとしませんわねえ。30点。
ディスクリート:なんでそこで採点する!?
ロジーナ:あら、最後の最後に結局これを聞いちゃうのね。彼女の気持ちに気づいてる?
ディスクリート:………。
ロジーナ:というか私にはむしろあなたが彼女のことを…
ディスクリート:うるせえ。
ロジーナ:(ベルを鳴らしながら)あのね、質問用紙を間違えたみたいなの。
「片思い編」を取ってきてくださる?25問追加で尋問しますから…
「片思い編」を取ってきてくださる?25問追加で尋問しますから…
ディスクリート:いやだ勘弁してくれ!
ロジーナ:冗談よ。さ、これで質問はおしまい。どうだったかしら?
ディスクリート: ……なんかこう、疲れた(ぐったり)
ロジーナ:あら、でも私は楽しかったわよ。
ディスクリート:俺は疲れました。
ロジーナ:楽しかったわよね?
ディスクリート:……。
ロジーナ:アレス返してくださる?
ディスクリート:……楽しかったです。
ロジーナ:よろしい。それじゃあお疲れさまでした。私は帰ります。可愛い「恋人」さんと、仲良くね。
ディスクリート:!??
ディスクリート:…なんだったんだ、一体…(呆然)