ラブに関する25の質問【両思い編】
タリス:♪ちゃーらっちゃー ちゃっちゃらー。
ガルシア:な、なんだこの変な音楽は。
タリス:あーあー、本日は~当質問コーナーにおいでくださいましてまことにありがとうございまぁす~。
ガルシア:あ、君は女王守護騎士団の…。
タリス:ぶっぶーっ!(天井の紐を引くとガルシアの頭上にたらいが落ちてくる)
ガルシア:ぶべっ!
タリス:違います、それは姉です!「聖騎士団の」タリス・ヴァレンティスです!覚えてなくてもしょうがないですけど、せめて間違えないでくださいよ。
ガルシア:うう…すまない(それにしても、痛い…)
タリス:というわけで(?)今からガルシア副団長には恋愛に関する25の質問に答えていただきます。
ガルシア:ええっ!?
タリス:間違うとさっきみたいに天井からたらいが降ってくるので気をつけてくださいね。
ガルシア:(質問なのか、クイズなのか、どっちなんだ…!)
タリス:じゃあまず、自己紹介をどうぞ。
ガルシア:ガルシア・シャディックス。23歳。ムテルア騎士団の銃器騎士団所属!
タリス:ちなみに副団長さんです。初めて近くでお目にかかりましたけど大きいですねー。身長はどれくらいあるんですか?
ガルシア:2mちょっと。
タリス:ひゃー。天井でよく頭打ちません?
ガルシア:打つ!
タリス:そんな(頭に)生傷の絶えないガルシア副団長ですが今日は恋愛に関する25の質問ということで。差し障りなければお相手の名前、性別、年齢なんかを教えてください。
ガルシア:えーっと…、別に言っちゃっていいよな。レネ・ウィンディア。22歳。俺とおんなじで騎士だ。女王守護騎士団の。
タリス:こちらも副団長さんですよね。知ってますよお~…って、どうしました?
ガルシア:な、なんかこんな風に紹介するのむずがゆいなぁ…と思って。
タリス:まあまあそんなに緊張せずに。じゃあえっと、年齢差と身長差を。年齢差はともかく身長差はすごそうですねー…。
ガルシア:年齢差は俺のほうが1歳年上。身長差は…さんじゅうはっせんち。
タリス:わお。
ガルシア:仕方ないよな。でも女性で2mとかあっても、たぶん困るし。女王守護騎士団の前団長は大柄な人だったけど、それでも2mはなかったしなあ…。
タリス:ところで、今更ですけどどういう関係の人ですか?恋人?
ガルシア:あ、ああ。
タリス:へえええ、可愛い?(にやにや)
ガルシア:うう…。女王守護騎士団の副団長なら知ってるだろ…。あんまり苛めないでくれ…。
タリス:なに言ってるんですか、これからそのあたりのことをじっくり聞いていくんですから。じゃあまずお二人の出会いをどうぞ。そういえば出身地同じですよね?
ガルシア:(妙に詳しいな…)ああ、彼女とは幼馴染なんだ。だから出会いは子供の頃。何の因果か同じ日に森で迷子になって、半泣き状態で知り合ったんだ。…今考えると酷いな(笑)
タリス:同じ村出身なのにそれまで知らなかったんですか?
ガルシア:彼女は本読んだり教会の手伝いばっかでさ、遊んだことなかったし。それに物静かで大人びててこう言っちゃなんだけど、同じくらいの子供と遊んだりするの嫌いなのかと思ってたんだよな。
タリス:そんな相手のことを意識するようになったのはいつですか?
ガルシア:ああ、それなんだけど、実はいまだに良くわからないんだ。
タリス:…は?
ガルシア:いや、ずっと好きは好きなんだけど、恋人だからって今までとどう違うのかと考えるとよくわからなくてな。
タリス:抱きしめたり手を繋いだりいろいろできるじゃないですか。
ガルシア:そういうことはその…幼馴染だから結構当たり前にやってたんだ!
タリス:(なんと…)じゃあ、恋人になった時期、きっかけなんかを振り返ってみてください。
ガルシア:全然俺は知らなかったんだけど、レネがちょっと長旅に出るって言うからさ、その前に。
タリス:じゃあ想いを告げたのは…
ガルシア:レネだな。
タリス:そ、その時の反応を思い出してください。
ガルシア:とにかくビックリした。
タリス:(無言で手元の紐を引く)
ガルシア:(タライ直撃)ぬが…!ふ、再びなにするんだよ…。
タリス:ガルシア副長、(不器用とは聞いていましたが)いろいろと酷いです!反省してください!
ガルシア:ちょ、酷くないか。この上なく正直に答えたのに。
タリス:まったく、ガルシア副長はもっとレネさんに感謝するべきです。ちなみに、そんなレネさんにはどう思われていると思いますか?
ガルシア:感謝はしてるんだけどなあ…。そうだな、一緒にいて楽とは思ってもらえてるんじゃないか?
タリス:じゃあどういう風に思われたいと?
ガルシア:今のままで十分居心地はいいんだが、そうだな、もっと家族みたいに思ってもらったら嬉しいかも。
タリス:ちなみに積極的なのは…
ガルシア:まあレネだな。でも何か見に行こうとかご飯食べに行こうとか言うのは俺のほうかもしれない。レネは家の中好きだからなあ…。
タリス:じ、じゃあね…相手の好きなところを語ってください。
ガルシア:すごく頑張り屋なところかな。騎士団ってのはただでさえ頑張る人が多いけど、レネほど頑張るやつは俺は見たことない。
タリス:では、嫌いなところは?
ガルシア:でもちょっといかんせん頑張りすぎなんだよなー。頑張りすぎだって言うと怒るし。泣き虫のクセになかなか泣かないしな。
タリス:泣き虫なんですか(意外。)
ガルシア:あ、今のは聞かなかったことにしてくれ(笑)
タリス:今までに何かプレゼントしたこと、されたこととかありますか?
ガルシア:毎年バレンタインにセーターを貰うかな。
タリス:忙しい職務の間をぬってセーター編むとか彼女の鏡ですねえー(うっとり)
ガルシア:へへ、そうだな。大きいから苦労するんだとさ。
タリス:思い出の場所はありますか?
ガルシア:ん、やっぱり故郷のエナの街かな…。あと子供の頃迷った森の中。
タリス:じゃあ次ですね。あなたがもっともお相手に色気を感じるのはどんなところですか?
ガルシア:うぐ。い、色気、色気ね…。
タリス:どうしました?
ガルシア:い、言ってもセクハラになんないだろーな!?この場合!
タリス:安心してください、なりません。
ガルシア:う、じ、じゃあ。色気とは違うのかもしれないが、昼寝とかうたたねとか寝てる時の顔が好きかな。気持ちよさそうで、穏やかで。
タリス:(セクハラとか言うからすごいのを期待したのに!)しかし穏やかですねえ。もっとこう、むらむらするとかじっとしてられないとかそーいうのないんですか(わくわく)
ガルシア:な、何言ってんだ…!それに冗談言うなよ、俺が乱暴したりのしかかったりなんかしたら潰しちゃうだろ…。
タリス:(こ、この人はアレだわ、もう自分が人間の規格外の大きさだという生き方が染み付いていちゃってるのねッ!さながら「早く人間になりたーい」ってところかしら…。なんというUMA(未確認生命体)…ッ!)
ガルシア:タリス?おーい?
タリス:はっ…!?ご、ごほん。なんでもありません。次行きますよ。お二人が会う頻度はどのくらいですか?
ガルシア:これは毎日会うかな。お互い忙しいとたまに顔見ない日もあるけど。
タリス:じゃあお二人の間に危機を感じたことはありますか?
ガルシア:子供のときからずっと一緒にいたからかな、一度レネがムテルアを離れたときは予想以上に寂しかったな。あのまま帰ってこなかったらどうしようかと思った。
タリス:それがいなくなって初めてわかるというやつですよ。大切にしないといけませんよ。では、どんな時に幸せを感じますか?あと、切なくなる時は?
ガルシア:二人で騎士になるって言う夢をかなえて、こうやって少しでも役に立ててることが幸せだ。
タリス:お二人とも、今は副団長ですからね。
ガルシア:でも逆に仕事を優先しすぎて自分を殺し過ぎるあたりが切ないかな。特にレネは。俺はそれがちょっと心配だ。
タリス:二人の間に障害はありますか?
ガルシア:ありがたいことだけど今のところ見当たらないんじゃないだろうか。
タリス:あるとしたらガルシア副長のニブさに愛想つかすことだけだと思いますよっ!
ガルシア:う…は、反省はするよ。
タリス:将来の展望を聞かせてください。これはもう結婚しかないですよね。
ガルシア:お、おい…。
タリス:障害もないのに何を迷ってるんですか。ゆっくりしてると取られちゃいますよ!都会は怖いんですからね(?)
ガルシア:(結婚か…)
タリス:ちょっとのろけてみてください。
ガルシア:い、今か!?
タリス:今です。
ガルシア:実はこのインタビューがあるから先に帰っててくれって言ったんだが、いいです待ってますよって今日も待っててくれ…
タリス:そ、それを早く言ってくださいよ。ほら、あと少しですサクサク行きましょう!
タリス:私がお相手だと思ってなにか言ってみてください。ちゃんとそれらしいこと言ってくださいよ?
ガルシア:あ、ああ。…これからもよろしく。
タリス:そ・れ・ら・し・い・こ・と言ってください!(タライの紐に手をかけながら)
ガルシア:…。これからもよろしくな。その…大事にするから。
タリス:ふう…。質問は以上ですよ。ありがとうございました。感想を一言。
ガルシア:終わりか?なんか長かったなあ…。あ、付き合ってくれてありがとうな。
タリス:以上ですか?
ガルシア:ああ。
タリス:じゃあ早く行ってあげてください!
ガルシア:いいけど、ここの後始末とかは…
タリス:ほら走る!
ガルシア:あ、ああ。じゃあなっ!後は頼んだぞ!
タリス:行ったか…。はー、もう全く世話が焼けるったらありゃしないわねー。